脳動脈瘤が見つかると、驚いたり心配になったりするかもしれません。しかし、脳動脈瘤はすぐに危険な状態になるわけではありません。しっかりと状況を把握し、適切な治療や経過観察を行うことで、リスクを抑えることができます。まずは落ち着いて、正しい知識を持つことが大切です。
脳動脈瘤が
見つかったら
What THE CATHETERIZATION
脳卒中が疑われる症状
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正常な脳血管
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風船(脳動脈瘤)ができた脳血管
未破裂脳動脈瘤
血管が枝分かれしたところにできやすい -
風船(脳動脈瘤)が破裂した脳血管
脳動脈瘤破裂≒クモ膜下出血
脳動脈瘤とは?
脳動脈瘤とは、脳の血管の一部がふくらんで、こぶのようになっている状態です。これが破裂するとくも膜下出血という重い症状を引き起こしますが、多くの場合は、動脈瘤が見つかってもすぐに破裂するわけではありません。破裂の危険性は、動脈瘤の大きさや場所、形によって変わります。
破裂の危険性について
脳動脈瘤が破裂するかどうかは、動脈瘤の大きさや場所、そして体全体の健康状態によって異なります。医師は、動脈瘤の状態を確認し、破裂する可能性がどのくらいあるかを判断します。
破裂する危険が低い場合、すぐに治療せずに、定期的に様子を見ることもあります。検査を受けながら、動脈瘤が大きくなっていないか、変化がないかを見守ることで、より安心して過ごすことができます。

治療が必要な場合
脳動脈瘤の治療には、カテーテルを使って血管の中から治療する「脳血管内治療」と、頭を手術する「開頭手術」の2つがあります。
脳血管内治療では、細い管(カテーテル)を使い、動脈瘤の中にコイルを入れて血流を止め、破裂を防ぐ方法が取られます。この方法は、体への負担が少なく、回復も早いのが特徴です。開頭手術も有効な方法で、動脈瘤の場所や患者さんの状態に応じて、どちらの治療が良いか医師が判断します。

すぐに心配しないために
脳動脈瘤が見つかっても、すぐに手術が必要になるわけではありません。
大事なのは、医師としっかり相談し、自分に合った治療や経過観察を選ぶことです。脳動脈瘤が破裂するリスクは、動脈瘤の大きさや場所によって異なるため、過度に不安になる必要はありません。当院では、丁寧な検査と説明を通じて、最適な治療方針を一緒に考えていきますので、安心してご相談ください。

治療が必要となる場合
動脈瘤の治療は、その大きさや場所、形状、そして患者さんの全体的な健康状態を考慮して決定されます。
一方で、動脈瘤が見つかっても、すぐに治療を行う必要がない場合も多くあります。定期的な検査で経過を観察し、動脈瘤の成長や変化がないかを確認することが主な対応となります。
- 治療が必要な場合
動脈瘤が大きい場合
動脈瘤が大きくなるほど、破裂のリスクが高まります。
一般的に、直径が5mmを超える動脈瘤や、急速に大きくなっている動脈瘤は、治療を検討することが勧められます。
場所によってリスクが異なる場合
前交通動脈(AcomA)や内頸動脈分岐部など、一部の部位にできた動脈瘤は、破裂のリスクが高いとされています。動脈瘤の場所によって治療の必要性が変わります。
形状が不安定な場合
動脈瘤の形状が不規則であったり、瘤の壁が薄くなっている場合、破裂しやすいと考えられます。このような場合も、早めの治療が推奨されます。
症状が出ている場合: 動脈瘤が周囲の神経を圧迫し、視力の低下やまぶたが下がるなどの症状が出ている場合は、治療が必要です。
治療が必要となる場合
脳梗塞は、脳の血管が詰まることで脳の一部に酸素が届かなくなり、障害が起こる病気です。その原因の一つに「頸動脈狭窄症」があります。頸動脈狭窄症とは、首にある大きな血管である頸動脈(けいどうみゃく)が狭くなり、血液が脳に十分に届かなくなる状態を指します。
頸動脈狭窄症とは?
頸動脈は、心臓から脳へ血液を送る大切な血管です。しかし、加齢や生活習慣の影響で、この頸動脈が狭くなることがあります。これは、動脈硬化(どうみゃくこうか)と呼ばれる状態で、血管の内側にコレステロールなどがたまって、血液の通り道が狭くなることが原因です。
頸動脈が狭くなると、脳に送られる血液が減ってしまい、脳梗塞のリスクが高まります。また、狭くなった部分に血の塊(血栓)ができて、それが脳に流れ込むことで血管が詰まり、脳梗塞を引き起こすこともあります。
頸動脈狭窄症の症状
頸動脈狭窄症は、初期段階ではほとんど症状が現れないことが多いです。しかし、進行すると以下のような症状が出ることがあります。
これらの症状が一時的に現れる「一過性脳虚血発作(TIA)」と呼ばれる状態が続くと、脳梗塞の前触れであることもあります。これらの症状が出た場合は、すぐに医師に相談することが大切です。
片側の手足が突然動かなくなる
言葉がうまく出なくなる
片目が見えなくなる
目眩がしたり、バランスがとれなくなる。
頸動脈狭窄症の検査と治療
頸動脈狭窄症は、超音波検査(エコー)やCTスキャンで血管の状態を確認することができます。もし、頸動脈が狭くなっていることがわかった場合、その狭さや症状に応じて治療方法を決めます。
軽度の場合は、生活習慣を改善し、薬で動脈硬化の進行を防ぐことが多いですが、重度の場合は手術が必要になることがあります。

頸動脈ステント留置術
狭くなった頸動脈に対しては、「頸動脈ステント留置術」という治療法があります。この手術では、カテーテルという細い管を使って、狭くなった血管にステントと呼ばれる金属の筒を入れて血管を広げます。これにより、脳へ流れる血液の量が増え、脳梗塞のリスクを減らすことができます。
頸動脈ステント留置術は、身体への負担が比較的小さい治療法で、外科手術を行わずに治療を行うことができるため、体力に不安がある方にも適した方法です。詳しくは、医師にご相談ください。
